新着情報

右向きにシッツしている盲導犬のイラスト
ボランティア リレーエッセイ "ボクだって わたしだって おりこうなんだもん"
最新号 第14話   第13話  第12話
"ボクだって わたしだって おりこうなんだもん" バックナンバー   読み物集のメニューページよりリンクしています。
 
ユーザー リレーエッセー "あいつと私"バックナンバー   読み物集のメニューページよりリンクしています。
 
東京メトロ銀座線青山1丁目駅ホームでの盲導犬使用者の転落事故に関する声明 (平成28年9月)

交流会開催費補助制度(平成28年6月1日改正)を更新しました。
 
平成28年度 執行部組織
 
★ 第22回総会(平成28年5月)で承認されました、全日本盲導犬使用者の会 『規約』と『役員選挙管理規定』が更新されました。
 
新会長としての抱負と願い 郡司七重 平成27年6月
 
★ 日本補助犬情報センター 「補助犬受入実態の把握および阻害要因の調査報告(補助犬ユーザーアンケート調査編)」(外窓で開く)
 
★ 全国盲導犬施設連合会 情報誌 DUET25号・盲導犬情報第16号 (外窓で開く)
 
歩行・お仕事中の盲導犬。お仕事中の盲導犬には、声をかけないでくださいね < m(__)m >
お知らせ
 ほかのページをご覧になるには、各ページ下方に設置してあるナビゲーションより各項目別メニュー(セカンド)ページへ移動していただくことが出来ます。ナピゲーションへのリンクは、各コンテンツの後に設置してあります。
 また、トップページおよびメニュー(セカンド)ページのナビゲーションの後にはサイト内検索を設置してあります。お探しのキーワードで検索してみてください。
鹿児島大会にて、盲導犬たち No,7鹿児島大会にて、盲導犬たち No,8
 

ボランティア リレーエッセー "ボクだって、わたしだって、おりこうなんだもん! "

第14話 "ボクだって おりこうなんだもん !"

「二頭目、ご検討頂けませんか?」

京都嵐山で募金活動のネクサス(右)とミント(左)、仲良しふたり、いやいや2頭です  平成26年4月、関西盲導犬協会から一本の電話がありました。
 その一年前、日本ライトハウスからキャリアチェンジ犬ネクサスを迎え、その三か月後に関西盲導犬協会からもキャリアチェンジ犬が出たとの連絡があり、既に他の協会から迎えた犬がいる旨をお伝えし、お断りしました。
 キャリアチェンジ犬は、タイミングを逃したら長期間待たなくてはいけないと聞いていたので欲張って二か所の協会に引き取りの希望を出していたのです。しかしさすがに申し訳なくなり、「どうしても行く所の無い犬がいたら二頭目検討します。」と言って電話を切りました。まさかそんな犬はいないだろうと思って。

 それから一年後、まさかの関西盲導犬協会からの「二頭目、ご検討頂けませんか?」の、ご連絡。いたんだ、行く所の無い犬が! 聞けばキャリアチェンジ犬になり、人間の勝手な都合で引き取られては協会に返されて、を何度もくり返していて、心も行動も荒れているとの事。
 先住犬がいる家庭の方が先住犬を見習って心も行動も修正されるのでは、という協会の見解でうちに連絡をされたようです。

 先住犬ネクサスを連れてその犬、ミントに面会に行きました。
 ミントの第一印象は「かわいい。」二歳の誕生日を迎えたばかりのミントは雄にしては小柄で、顔もあどけなく、人懐こくて本当に可愛らしかったのです。
 ネクサスとも仲良さそうにしており、一週間様子を見るという事で自宅に連れて帰りました。が、連れて帰った途端二頭は取っ組み合って激しく暴れる、テーブルの上の夕食のサバの塩焼きを盗み食い。
 何この子、ほんまにキャリアチェンジ犬?ネクサスと全然違うタイプのミントに正直驚き、引き取りを悩みました。

 ミントを家族に迎える決定打は、ずっと交流を続けているネクサスのパピーウォーカーをしてくださっていた方にミントの事を相談。すると「引き取ってあげて下さい。」この一言で引き取る決心がつきました。
 が、ネクサスは臆病が克服出来ず、惜しまれてキャリアチェンジになった犬なのに対して、ミントはホンマに盲導犬の候補やったの?と、いうくらいやんちゃ。
 でも素質はきっとあると信じ、思い切って協会の募金活動のお手伝いに連れていきました。最初は旺盛すぎる好奇心が全開でしたが、他にお手伝いに来ているPR犬や引退犬の落ち着き、賢さに何度か触れるうちにお利口にお手伝いが出来るようになりました。元々人が大好きなワンコ達なので募金のお手伝いに喜びと楽しさを覚え、盲導犬には向いていなかったけれど、こんな形でお役に立てる日が来るなんて、ミント自身も驚いているかも知れません。

 協会のイベントで再会出来た母犬や兄弟犬達とも楽しく交流しているミント、もう一人じゃないよ。これからもネクサスと共にお手伝い頑張ろうね。


 

第13話 "ボクだって おりこうなんだもん !"

セルフお散歩

ウォルトとウィールが名前の縫い取りのある洋服を着て、こちらを「はーい!」と振り向いています  お散歩は楽しい。知り合いに会うのもまた楽しい。
 ウォルトはおなじみさんに会うやいなや、私の手から伸縮リードの持ち手をひったくり、くわえて一目散にかけていって ごあいさつ。
 「こんにちは。ボクはあなたに噛みつこうなんて、これっぽちも思ってないんですよ。 それが証拠にボクの口はふさがっているでしょう?」と気を遣っているのか・・・
 「ホントウはボク、付き添いなしでひとりでお散歩でき るんですよ。」と見栄をはっているのか・・・
 「ボク、こんなもので、連れ回されているのです。ホラ右、今度は左ってね。ひどい目にあってるんです。」と助けをもとめているのか・・・
 どうにもふしぎで、知り合いは「これはどういうことなの?」と訊ねてくるのだけれど、「セルフお散歩なんでしょうかねえ。」と首をかしげる。

兄弟

 北海道盲導犬協会で生まれた兄弟7頭のうち、2頭が関西盲導犬協会にやってきたのは5年前のこと。
 それが、ウォルトと弟のウィールくん。時々、一緒に遊ぶ。「我らがふるさとははるか遠く、この地に二人きり・・・」なのだけれど、ご対面はしごくあっさり していて、私はがっかりする。
 北海道の親兄弟に会いに行く。なんてのは、心躍るプランだけれど、どうせ近所の遊び友達に会う方が断然喜ぶんだよなあ〜と思うと、なんだか行く気にはならない。
 ウィールくんとウォルトは似ているけど、似ていない。ウィールくんは小柄で元気いっぱい。通りがかりの人に「まだ子供ですか?」と訊かれる。ウォルト、いつものペースでお散歩中、「かなりお歳ですか?」と訊かれる。

ライン

 私も人生半ばを過ぎてつくづく思う。破天荒な生き方。などとは無縁にチマチマと小さく生きてきたなあ。我ながら範囲を小さく囲ってライン引いて生きてるなあって思う 。
  どこにでもママについてまわるウォルトくん。 家周りの落ち葉を掃くのに、玄関前の階段を下って、門から出る私。それを見送るウォルトくん。階段の一番上の段。君にもラインがあるんだね。君のラインはそこですか?

 「ウォルトくん、君は私の人生を一変させた まったく大した男だよ!」


 

第12話 "ボクだって おりこうなんだもん !"

ボクのソファーだよ この色ってラルク色 ボクのためにお父さんとお母さんが買ってくれたんだよ  暗闇の中、何かの気配が。手探りでスマートフォンを探して、画面を見る。「3:28」の文字が闇に浮かび上がる。背後で「ハァハァ」と気配が。次第に緊張感が高まる。おもむろに起き上がり、「しぃー」と人差し指を口の前に持って行って、静かにするように念を送る。すぐに起き上がり、素早くいつもの順序で準備をする。ここで手順を間違えてはいけない。少しの遅れも許されない。
 「あ、しまった。懐中電灯を忘れた」と振り返ったとたんに、「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン (お父さん、早く散歩に行こうよ!)」。ラルクとの一日がこうして始まる。

 ラルクは我が家のキャリアチェンジ犬。10年前のクリスマスイブに我が家に来た。関西盲導犬協会から譲渡される際に、「お留守番が出来ない子ですが、いいですか?」と言われた。
 妻が昔から飼いたがっていたレトリバー。家を建てたのでやっと犬が飼える環境になった。少しでも何かに貢献できればと関西盲導犬協会に申し込んだ。

 お留守番は2時間が限界だが、散歩は何時間でも歩き続けられる。新しい道を行くのが大好きで裏路地から旅行先の道まで知り尽くしている。「おうちに帰るよ」といえばどこに居ても必ず家にたどり着ける。でも「お母さん(お父さん)、もっと散歩しようよ」と目で訴えてくる。そして我が家の靴はすぐにぼろぼろになった。
「パン、パン、パン」ある朝の散歩中に爆竹の音がした。ラルクは急に不安になり、走って家に逃げ帰った。それから半年間 朝の散歩に行けなくなった。
 朝、散歩に出発したらすぐに思い出す。何度もトライしたが、途中で怖くて家に逃げ帰ってしまう。ラルクは想像力がありすぎる。いろいろな音や状況から、近い将来起こりうることを想像してしまう。繊細すぎるのがキャリアチェンジになった理由だった。
 繊細なラルクはとても優しく聞き分けがいい。お母さんやお父さんが病気で寝込んだときには大好きな散歩の催促もしないで添い寝をしてくれる。「机の上のものは食べては駄目」と説明すれば、どんなにおいしい食べ物が机の上にあっても、誰も居なくても決して食べない。

 ラルクはリタイヤ犬と暮らしてきた。
 最初はおっとりしたOちゃん。ラルクが3歳の時、12歳半のOちゃんが我が家に来た。14歳くらいから認知症気味になって、玄関の三和土に降りて上がれなくなったり、家具の隙間に入り込んでバックできずに立ち往生したりするようになった。でも「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン (お母さん、Oちゃんが大変だよー)」、ラルクが必ずOちゃんが困っていると知らせてくれる。
 Oちゃんが寝たきりになった。深夜に目が覚めて不安になり「ゥワォー」と鳴く。現役時代ほとんど吠えたことがないのでうまく吠えられない。でも「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン (お母さん、Oちゃんが大変だよ!)」、ラルクが必ず知らせてくれる。おかげで我が家はいつでも寝不足だった。

 そんなラルクも今は11歳半。17歳で虹の橋を渡ったOちゃんの後に来た、とても元気なリタイヤ犬Rちゃんと暮らして3年半になる。
 Rちゃんはラルクのご飯を横取りする。でもラルクは怒らないで「お母さん、ボクのご飯食べられちゃった」と目で訴えるだけ。Rちゃんは我が家で引退生活を満喫している。ラルクがなんでも教えてくれるからすぐに我が家の生活に馴染んだ。そしてラルクも元気なRちゃんのおかげでOちゃんが亡くなった落ち込みから救われた。
 Rちゃんは13歳半。今では耳が遠くなった。でも「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン (Rちゃん、ご飯だよ!)」、ラルクが必ずご飯時を知らせてくれる。

 Oちゃんも、Rちゃんも優しいラルクのことが大好きだ。ラルクがそばに居るととても安心している。今、Rちゃんはラルクと一緒に幸せそうに昼寝をしている。盲導犬にはなれなかったが、ラルクも少しは貢献できているようだ。
 「お母さん、ボクだっておりこうに介助犬しているんだもん!」という声が聞こえたような気がした。

東京メトロ銀座線青山1丁目駅ホームでの盲導犬使用者の転落事故に関する声明

 平成28年8月15日17時45分ころ東京メトロ銀座線 青山1丁目駅 渋谷方面ホームから盲導犬使用者の品田 直人氏が転落、死亡するという大変痛ましい事故が起きました。
 被害者ご本人はもとより、ご家族様に深く哀悼の意を表します。

 駅ホームは視覚障碍者にとって欄干のない橋を歩いているような場所です。盲導犬使用者の私たちも転落しましたら命がないか、或いは大きな怪我を負うことは必定な場所です。それだけに私たちはパートナーの盲導犬との慎重な歩行を行っていますが、その駅ホームによっては狭い場所に柱やベンチ等、多くの障害物があります。その上、電車に乗り降りする人等、本当に多種多様な利用者が行き来し、非常に危険な場所であります。
 特に駅ホームでは、走行する電車の音が反響し、時にはホームでのアナウンスが聞き取れない場合が多々あります。
 そんな悪条件が重なると、私たち盲導犬使用者は現状判断ミスをしてしまうことさえあります。
 もちろん同伴する盲導犬は決してスーパードッグではありません。あくまでも私たち使用者の指示により、彼らは自分の能力を発揮するのです。
 盲導犬使用者にとって、安全、安心できる歩行、各種交通機関を利用しての安全、安心できる移動は、日常的に強く切望するところです。

 今回の東京メトロ銀座線 青山1丁目駅ホームから盲導犬使用者が転落死したという悲報を受け、私たち全日本盲導犬使用者の会は、より安全に、より安心できる駅ホームを利用するために、次のことを強く求めます。
 

一 ホームドアの早急な設置と、ホームの点字ブロックの再点検等、ホーム上の再度の安全点検をすること。
一 すべての駅ホームに安全監視員など駅係員の人員を増やすと共に、その在所時間帯を長くすること。
一 ホームでの歩きスマホや、点字ブロック上の歩行を妨げる行為等、迷惑行為を強制的に禁止すること。
一 すべての駅に内方線付き点状ブロックを敷設するとともに、視覚障碍者がホーム上の点字ブロックを踏み越え、線路側により近い場所に足を踏み入れたことが、自分自身の足裏の感覚で確実に判断できるよう、ホーム端の部分の床材を容易に判断可能な材質にすること。
一 盲導犬訓練所において全ての盲導犬のフォローアップを定期的に行うことを義務付けること。
一 駅のホームや、各種交通手段の利用等、社会の中で多くの人々に盲導犬使用者を見守り、危険に遭遇しようとしている場合には、速やかに声がけや援助をしていただけるよう私たち盲導犬使用者も強く社会へ啓発、啓蒙に努める。
一 盲導犬使用者が二度とこのような悲惨な事故に巻き込まれないよう、私たち使用者も、より安全な移動に努めて行くと共に、関係各機関に対し安全対策を計るよう強く求める。

平成28年度 執行部組織

 会長 郡司七重
 副会長(事務局担当) 蛭田友子

 理事 会計部 生長善治郎
 理事 情報部 山本誠
 理事 会報部 すきっぷ担当 溝尾智重子
 理事 会報部 池田純
 理事 問題対策部 杉元忠幸
 理事 問題対策部 杉元あけみ
 部員 問題対策部担当 栗田陽子

 監事 森田富廣(とみひろ)
 監事 内藤夏子

 相談役 清水和行