新着情報

右向きにシッツしている盲導犬のイラスト
会報 すきっぷ 44号 (抜粋版) をアップしました。 HPの窓から 会からのお知らせ 他
 
ユーザー リレーエッセー "あいつと私"
このシリーズは、"あいつと私"と題して、使用者にいつも寄り添い、新しい世界へ導き、幸福な光景を見せてくれる盲導犬と使用者との幸福な日々や切ない別れなど、盲導犬と使用者の深く暖かい絆が綴られています。
最新号  第六話   第五話  第四話
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平成28年度 執行部組織

★ 第22回総会で承認されました、全日本盲導犬使用者の会 『規約』と『役員選挙管理規定』が更新されました。

ボランティア リレーエッセイ "ボクだって わたしだって おりこうなんだもん"
このシリーズは、盲導犬の繁殖犬、パーピー(盲導犬候補生)、キャリアチェンジ犬(盲導犬にならなかった犬)、盲導犬引退犬などのボランティアさん達による「うちの子自慢」と言うべきリレーエッセイです。次回更新は、8月の予定です。
  "ボクだって わたしだって おりこうなんだもん" バックナンバーへ   読み物集のメニューページよりリンクしています。
 
新会長としての抱負と願い 郡司七重 2015年6月

★ 日本補助犬情報センター 「補助犬受入実態の把握および阻害要因の調査報告(補助犬ユーザーアンケート調査編)」(外窓で開く)
★ 全国盲導犬施設連合会 情報誌 DUET25号・盲導犬情報第16号 (外窓で開く)
歩行・お仕事中の盲導犬。お仕事中の盲導犬には、声をかけないでくださいね < m(__)m >
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鹿児島大会にて、盲導犬たち No,7鹿児島大会にて、盲導犬たち No,8

ユーザー リレーエッセー "あいつと私"

"あいつと私" 第六話

孫の稔(じん)とあいつのフィズ  合わせてジンフィズ  ジンフィズ バイオレットフィズ 吾(あ)と暮らす  かわいいあいつは 盲導犬フィズ
 「あいつ」は6年前に三代目の盲導犬として我が家の一員になったのです。名前を呼ぶと、くるくる回りながら体当たりして来たものでした。夫が辞書でフィズという語を引くと「サイダーやビールみたいにシュワッと粟の立つ炭酸入り飲み物」それから「あいつ」は「ジンフィズ」と呼ばれることになりました。その後、遅ればせながら初孫の誕生、偶然にもその孫の名は「稔(ジン)」「これで合わせてジンフィズ」と、じいちゃんの顔はニコニコです。

  「ぐっどぐーっど」 繰り返しつつ 盲導犬と  こまで来れた スーパーのドア
 二つ目の信号から左へ渡って、路地を一つ越えると風向きが変わり駐車場、ほらほらスーパーのドアが開く音が…。そっと頭を撫でながら「グッドグッド!」あいつは尻尾を大きく振って「ね、レジはこっちよ」得意気に案内してくれる。大きなリュックにいっぱい詰め込んで、帰路は「重たい!」ゆっくりゆっくり慎重にね。

  突風に 吾が盲導犬は 凛と立つ  握るハーネスに 命が通う
 これは一昨年のこと。バスを降り2分も歩いただろうか、突然の大雷鳴と強風、それに大雨。正にゲリラ豪雨である。視覚をカバーしてくれていた聴覚まで奪われてしまった。こんな時は何より便りになるはずの「あいつ」は大の雷嫌いなのだが・・・。「お母さん、任せて!」とでも言うようにハーネスから頼もしい「あいつ」の足取りと息遣いが伝わってきたのです。

  吾(われ)の服 脱ぐ前に まず盲導犬の  体拭きやる ゲリラ豪雨の
 「あいつ」も私もぴっしょ濡れ。あのご自慢の毛並みもぺっしゃんこ。「おへそも雷に取られずちゃんとあるし、良く頑張って歩いてくれたね」。

  藤棚の 下に歩を止め 盲導犬の  荒き呼吸の 調うを待つ
 前日とは打って変わり一気に気温が15度も上がり、真夏を思わせるほどの暑い日でした。病院を目の前にしての上り坂は、私も「あいつ」もクタクタです。「暑い!アッツイねー」突然真夏になるなんて。そういえば藤の花もいつもより早く咲いているね。

  会合を 終えたる帰路は ゆったりと  百合の香の路地へ 盲導犬促す
 今日の会議は意見がぶつかってばかりでくたびれちゃった。バスを降りると「まあ!百合の花のにおいがする」ちょっと遠回りして帰ろうか?百合の香のする公園の方へ足を向け「OK」とあいつを促した。

  さわさわと 紫陽花咲ける 狭庭辺(さにわべ)に  盲導犬座らせ 草を引き行く
 「フィズ、お花見に行こう」ワンツーを済ませると、これが私とあいつの合言葉。咲いている花の前で立ち止まります。紫陽花の根元にリードを結んで「これからお母さん、草取りをするから待っててね」。

  いつだって 私をずーっと 見つめいる  盲導犬フィズよ ああ8歳に
 シェル、ターシャ、フィズ「あいつ」たちから歩けることの素晴らしさ、人との出会いに感謝することを教わった。そして、落ち込んでいるときにはすり寄って慰めてくれる、年を重ねた我が家にはなくてはならない緩和剤…。これからは一緒にのんびり・ゆったり暮らして行こうね。


ユーザー リレーエッセー "あいつと私" 第五話

旅先富山でお城の石垣をバックに、わたしとあいつ・バジルです 私にとってバジルは3頭目の盲導犬です。盲導犬訓練センターの共同訓練を終えて家にやってきた時、1歳7ヶ月でした。その頃のバジルの様子を思い出します。職場に行き始めた頃、その前の私の盲導犬をよく知っていた同僚たちは、「お仕事、ちゃんとできるのかなあ」と心配そうに声をかけてくれました。それは確かに今でもその傾向があるのですが、人を見たら直ぐに遊びたがるのです。9歳の今でも家族が出勤前の準備中で慌ただしい中でも、お構いなく、一緒に遊ぼうとばかりに、引っ張りっこのための綱をくわえてくるのです。「忙しいから駄目」と言われると、諦めて専用の座布団のところへ戻って行きます。昼間は宅配の人がインターホンを鳴らした時、私が玄関に行くのをあとから一緒についてきて、得意のデングリ返しをやって見せるのです。それでも関心を示さないという人の場合には、つまらなそうに、自分の部屋に引き下がります。夜の家族の帰宅の際の様子ですが、家族でもいちばん犬好きな娘の車のエンジン音が聞こえると、サーッと玄関に走って行ってお迎えをします。バジルが玄関に行くことで、あとから娘の帰宅に気づくということもよくあります。
 7年前、私はバジルと妻と一緒に羽田から飛行機で熊本へ旅行しました。それは阿蘇カルデラ100キロマラソン大会に参加のためでした。その時、バジルはまだ盲導犬になったばかりで、わずか2ヶ月の新米盲導犬でした。大会中、妻はレンタカーにバジルを乗せて先回りして数ヶ所で応援してくれました。ある応援場所でのことです。コース中の曲り角に現れたランナーの私に、妻よりも先に気づいたバジルはその瞬間私の方に向かって跳び出したのでした。突然引っ張られた妻は転んで腕を擦りむいてしまいました。その傷はかなり深かったようで、治るのに1ヶ月以上もかかりました。バジルの体重は28キロもあったので、かなりの力で引っ張ったのでしょう。今でもよく当時の様子が話題になります。4月に熊本で大地震がありました。熊本城の近くに住む当時の伴走者に電話しました。「自宅は住める状態だけど、親戚や知人の家が潰れてしまい、本当に悲しいよ。バジルは元気かい?」と彼は言いました。こんな大変な時に思い出してくれるなんて、あの頃のバジルがさぞ印象的だったのでしょう。
 このような家でのバジルの横顔や、かなりヤンチャだった様子を聞くと、ごく普通のペッドのように思えてしまうことでしょう。でもハーネスを装着して一旦玄関を出ると、普通の盲導犬として立派に仕事をして私を安心させてくれるのです。 バジルは玄関を出た時の私の持ち物や服装によって、私が何も言わなくても決まった方向に進みます。例えば、私がゴミ袋を持っている時は左に進んでゴミ収集場所まで行きます。外出用のリュックを背負っている時は右へ曲がってバス停に向かいます。ランニング姿になると右に進んで更に右に曲がっていつもの散歩コースに向かいます。町の中も安心して歩いています。白杖歩行の時とは比べようがない程です。でも、当然ですが、間違うこともあります。それは駅前の喫茶店を利用することがよくあるのですが、私は店に近づくと、「レフトドア」と指示を出します。ところが、隣のブティックに入ってしまうことがよくあります。店員さんからの「また、おまちがえでしょうか?」 という声がします。ここはいくつかのテナントが入っていて、入口の足元の段差や点内の床の材質が同じなので、私は気づくのに遅れてしまうという訳です。
 私は20数年前に全盲となりました。そして、当時はお酒が最大の楽しみという毎日となってしまったのでした。当然の結果ですが、かなりのメタボとなりました。何とかしなければと思っていたところ、知人から盲導犬歩行をすすめられました。それからボランティアとのウォークもすすめてもらいました。そのお蔭で、それまでの生活は変ったのです。ウォークから少しずつランニングもできるようになりました。そして今では各地のマラソン大会参加を目標に、休日は伴走ボランティアのランナーと練習に励んでいます。平日はバジルと散歩して体力づくりにつとめています。本当にありがたいことです。感謝して毎日を暮らしています。
 


ユーザー リレーエッセー "あいつと私" 第四話

わたしと今現在いっしょに生活している あいつ・パドマです あいつと別れて15年、どんな巡り合わせであいつを授けられたのだろう。
 思えば50歳にならんとする頃、5m下の無人ビルに転落し、奈落の底から命拾いをしたことから、あいつと出合ったのだから、人生とは不可思議である。
 退院後、自分ではり施術をしながら、若い頃飼っていた賢いコリー犬がいたら、危険を回避出来たのではないかと考えていた。
 そんな時に私の願いが天に届いたかのように電話が鳴り響いた。
 「この度県内第一号の盲導犬が貸与されることになったので、犬が好きなら申し込んで見ませんか」と夢のような話が舞い込んで来た。
 翌年、栃木盲導犬センターで共動合宿訓練が開始され、どんなに可愛い犬だろうと、あいつの頭に触れた時の驚きは半端ではなかった。巨大な怪物が目の前に横たわっており、ブラックで36キロのあいつの尻尾が、バタバタと床を叩いていた。その夜から巨大なあいつとうまくやっていく自信がなかったが、「マーシ、明日からよろしく頼むよ」と声をかけて眠りについた。夜半に目が覚めると、あいつがベッドに上がりこみ、足元ですやすや寝ていた。
 病み上がりで訓練中はぎっくり腰状態だったが、幸い共に訓練を受けた主婦の方が鍼灸師であり、毎日ケアをして下さり、何とか訓練を終了して家に戻ることが出来た。
 山形駅からバスに乗車すると、すかさず運転手から注意された、「お客さん、犬を乗せてはだめですよ、会社の規則ですから」。盲導犬使用許可証を出して説明したが、折角厳しい訓練に絶えて盲導犬になれたあいつが、可愛そうだった。
 マンションの治療室を閉鎖し、郊外の家であいつとの新生活が始まった。寂しがりやのあいつは、相変わらず私の布団に潜り込んで寝ていたが、早朝4時半には私の首下に頭を入れて、凄い力で起こされることが日課となった。
 その後、障害者雇用促進協会から、パソコン教室の案内があり、諦めていた読み書きが出来るようになり、体験記を綴り、会報を発行することになった。盲導犬クラブを立ち上げ、盲導犬への理解促進を願って啓発活動を開始した。
 あいつの導きで、若い嫁をもらうことになり、苦労して私を支えてくれた母に親孝行の真似事が出来たことも神の恩寵であろう。57歳で息子に頭を叩かれながら、川原をガイドされることも夢のようだった。
 山形県での交流会を要望され、一歳半になった息子を連れて、福岡大会の視察に出かけたが、それがあいつと最後の旅行になってしまった。
 2001年の幕が開いた1月、あいつはあっという間に天国に帰ってしまった。冷たくなって医院から帰ってきたあいつは、何も知らずに触れている息子に、「お父ちゃんをよろしく頼むね」と無言で伝えているようだった。
 その年の6月、小学生達と、67頭のラブラドールと共に、あいつの写真を胸に抱き、大会旗を掲げて市内パレードを実施することが出来た。さくらんぼ狩りの直前まで降っていた雨が上がり、宝石のように輝くさくらんぼに感激しているユーザーの声に、あいつも交流会成功を喜んでいることだろう。
 自愛の意味のマーシ、マーシアハ、メシアと救世主に関連あるあいつと、二頭目のウラルと、母達に再開する日まで、愛と真と許しの言行を成し続け、世界人類の平和に寄与することを祈念し了とする。

平成28年度 執行部組織

 会長 郡司七重
 副会長(事務局担当) 蛭田友子

 理事 会計部 生長善治郎
 理事 情報部 山本誠
 理事 会報部 すきっぷ担当 溝尾智重子
 理事 会報部 池田純
 理事 問題対策部 杉元忠幸
 理事 問題対策部 杉元あけみ
 部員 問題対策部担当 栗田陽子

 監事 森田富廣(とみひろ)
 監事 内藤夏子

 相談役 清水和行

「新会長としての抱負と願い」


 「全日本盲導犬使用者の会」を2015年度から1期2年間舵取りを担わせていただくこととなりました郡司使用者の足元に伏せて待機する盲導犬七重です。
私は盲導犬と生活するようになってほぼ35年となりますが、この間には社会の中での盲導犬を取り囲む環境には大きな変化がありました。 その一番大きな変化は補助犬法という法律で私たちの生活が守られるようになったことです。
 ただ私は時々守られていることが、私たちの日々を傲慢にさせてはいないだろうかと思うことがあります。 「補助犬法」という法律を前にかざせば、何事も受け入れてもらえる、許されると勘違いをしているのではと思うような使用者に遭遇するとき、とても哀しい気持ちになります。
 私たち使用者はもっと謙虚にパートナーのコントロールに励み、もっとひたむきにパートナーとの前向きな生活を目指さなければならないと、私は考えます。 「権利」を主張すれば、必ず「義務」がその裏づけにあるように、私たちは「補助犬法」という大切な法律をしっかり抱きながら、使用者としての強い自覚を持って足固めをしてこそ、その上に未来への発展的展望を図られるのではと私は思うのです。
 この願いを基本軸として「全日本盲導犬使用者の会」の未来の基礎作りに取り組む、それが私の会長としての任務だとも受け止めています。 この思いのこもったバトンを次の時代を担う人たちに手渡す、これが当面の会長としての私の努めなければならない方向性と信じて舵取りをする、これが私の強い意志です。
 どうぞ私のこのあふれるような想いをご理解いただいて、皆々様の暖かな応援をよろしくお願いいたします。