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新着情報

右向きにシッツしている盲導犬のイラスト
新連載 リレーエッセー "あいつと私"
 このシリーズでは、あいつと私と題して、使用者にいつも寄り添い、新しい世界へ導き、幸福な光景を見せてくれる盲導犬と使用者との幸福な日々や切ない別れなど、盲導犬と使用者の深く暖かい絆が綴られています。
第三話  第二話  第一話
新企画予告!! "ぼくだって、わたしだって、おりこうだもん!" (仮称)
キャリアチェンジ犬(盲導犬になれなかった犬)、引退犬、繁殖犬、子犬のボランティアさんたちによる、「うちの子自慢」のリレーエッセイを計画中です。6月中旬以降にスタート予定。ご期待ください。
★ 平成27年10月3日徳島市内で起きた交通事故を受けての国土交通大臣への要望書
★ 会報 すきっぷ43号抜粋版がアップされました。活動報告からリンクしています。
★ 新会長としての抱負と願い 郡司七重
★ 新役員

歩行・お仕事中の盲導犬
お知らせ
 記事の増加に伴いリンクが増え目的の記事にたどり着きにくくなっている状況を解消するために、トップページ下方にありました各項目別リンクを、各項目別のセカンドページへと移行させ、トップページをスッキリした物に修正しました。各項目別セカンドページへは、この新着情報の次にありますナビゲーションから移動することが出来ます。ナビゲーションは、すべてのページに設置してありますので、個々のリンクをたどらずにナビゲーションから、各項目別セカンドページへ素早く移動していただくことが可能になりました。また、それに伴い皆様の利便性を考えて、トップページおよびセカンドページのナビゲーションの後にサイト内検索を設置しました。合わせてご利用ください。
また、全犬ホームページ内の各ページで、タブキーを使ってそれぞれの項目の見出しやリンクへ移動できるように修正しました。試してみてください。

新連載 リレーエッセー "あいつと私"

第三話 佐々木 達夫

写真は家の中でです、だからいち君はハーネスがつけていません。
家の中でパチリ、わたしのいち君とあいつの佐々木さんです。いちくん、あぐらの真中に座って、うっとりしてます。 2015年から生活のリズムが変わりました。夕方よくいい匂いのする所へ連れて行かれました。「イス、イス」と言われそこまで行くと「スワレ」「フセ」と元気な声が響きます。ひたすらセメント上でじっと耐えているのです。上の方からものすごい大声で話しているのが聞こえてきます。それにおいしい匂いもしてきます。関係ない様子なので横になろうとすると靴が動き出し、ぶつかってくるのです。そのたびに避けないとまともに体に当たるのです。腹立たしく主人を覗くと、知らぬ顔でまた「フセ」とくるのです。また、よく地面になにか落ちてくるのです。鼻を動かすといい匂いがするのです、確認に動こうとすると即座に反応しリードが閉まるのです。たまったもんでないですよ。ここへくるのはイヤでした。それがわかったのかどうか分かりませんが、まったく行かないのですよ。大変いいことなのですが、ちょっぴり寂しいこともあるのです。実は、とてもいい香りの手が近づいてきてなでてくれるのです。それがとても気持ちがいいのですよ。周りに分からないようにやってくれるので、ひそかな楽しみであったのです。ですから、たまには我慢しようかなと考えております。だんだん行き方も忘れてきそうです。
 もうひとつ変わったことがありました。この地に来て最初に訓練した所に行かなくなったのです。
 毎朝まず家を出ると、排泄です。大きな道に向かってまっすぐ歩き、手前を右にそして地下道までまっすぐです。この地下道の入り口にくるのが難しいのです。なぜって突然穴の中に入って行くのですからね。「階段」と言われ階段の前で止まるのです。慎重に降りるので時間がかかりイライラしてつい主人の顔を見ると、即座に「まっすぐ」です。穴を出ると今度はバス亭です。イボイボの地面とセメントの塊のある所までです。これが難しく何度と教えられました。バスに乗るとイスの脇でフセをしてほっとして一休みです。
 足が目の前に来たら、立ち上がり、主人の後ろをゆっくりと歩き、階段を降ります。外に出たら少し待ち、それから、まっすぐです。電柱で止まりゆっくり歩くのですが、主人は、車のものすごい音で、こわがっているのが伝わってくるのです。体を寄せてくるので苦しいのです。「歩道」と聞こえ安心して歩道の上を自信を持って歩きます。しばらくすると信号です。右わきに車が止まると「オッケイ」で横断歩道を渡り、坂を下り、横断歩道が見えたら止まり「右」に曲がり階段前まで行くと、「よし、よし」と言ってくれます。これで私の仕事は終わりです。足を拭いて、ふとんの上に座ると女のひとが水を運んで来てくれるのです。それを飲み干しお休みです。でも、背中が暑くなってきたら、ふとんをくわえて移動します。主人以外の人達が笑顔で見てくれているので私も満足です。
 家にいる時間が多くなったので、遊ぶ時間が増えました。
 食事が済み、一服と見ればすぐにあぐらの真中へ顔をつっこんで行くのです。そうすると両足を広げてくれるのです。そこで、でんぐりがえしをし、腹を出すと喜んで体全体をなでまわしてくれるのです。大きな手なのでとても、とても気持ちがいいのです。たまらなくうっとりしていると終わり、突然、立ち上がるのです。そして、思わず身震いをするのです。遊ぶ時間が多くなったので、掃除機を動かす回数が増えたよう。
 あなたには、友達や家族がいます。私には、あなたしかいないのです。私に話してください。私とできるだけいっしょにいてください、これが私からのお願いです。

第二話 セアまり(浅野麻里)

フリルがきたから実現できた活動と、奇跡のような挑戦。

水中をフリーダイビングするセアまりをダウンして見守るフリル 私は、多くの学校や団体などの講演会の中、盲導犬の啓発の後「命への感性小さな命を大切に」という話をしています。 他の盲導犬もそうであると思いますが、私の1頭目のパートナー フリルもパピーウォーカーさんから受けた大きな愛情と、訓練士さんとの深い信頼の上に育成された、人が大好き、何事にも動じないという、温かい落ち着いた性格をみると、小さな頃の環境が深く関係していると思います。 8年間を振り返り、パピーウォーカーさんに改めてパピー時代の豊かな体験を聞き、「三つ子の魂百まで」は、人間社会だけではないことを強く感じています。
 今まで犬を苦手だった子が、盲導犬とユーザーの深い絆を感じ、優しく育ったフリルに触れ、犬の暖かさ、そして、自分と同じように、「命」や「感情」がある事を知る。そんなことが多くありました。 自分の周りの小さな生き物すべてにも「命」があること、自分の「命」も見直せること、優しい心になれること。その子たちが大人になり、またこの日を思い出してくれることができたなら、あえて大きな声で障がい者や盲導犬を理解して下さいと叫ばなくても受けいられる社会になっていくと私は信じているのです。 子供の時からの思い【小さな命を大切に】をフリルと共に伝えることができました。
 また、スポーツが苦手なわたしが見えていたころでさえ考えてもいなかった競技に挑戦するおばさんに変身しているのです。それはもちろんフリルのおかげ。 私の脚をたたき、背を押す太いフリルの尻尾があったからです。晴眼者の若いフリーダイバーさんに仲間に入れていただき、自分との闘いである競技 フリーダイビングを楽しめているのです。 フリーダイビングとは、自分の内面を見つめ 何分息を止められるか、一息で横にどれほど潜り進めるか、一息で海でどれだけまっすぐ下に潜ることができるか?の競技です。 加齢と共に進行する目の病気に相反して、自分の記録に挑戦できるのは盲導犬生活からたくさんのエネルギーをいただき、強い精神になれたからなのでしょう。 プールの事務所や海の民宿など、何の文句もいわず、待機していてくれたフリル。障がいを与えてくださった神様に感謝さえする私になれたのです。
 フリルとの盲導犬生活も8年過ぎ。2015年12月7日に健康そのもので、無事ハッピーリタイアーできました。 想像通りフリルは大好きなパピーウォーカーさんの車にさっさと乗り込み、サーおうちへと喜び勇んで帰っていきました。 今、先住のラブちゃん雄2匹とおにいちゃん二人に囲まれ、唯一女の子として皆様にとても可愛がられている様です。 私はフリルの何倍も喜び、一日も長生きして下さいねと祈るばかりです。パピーウォーカーさんのおかげで、フリルへの不安は全くなく、フリルとのお別れの、10分後には甘えん坊でやんちゃな新しいパートナーとの対面となったのです。
 そして、2015年12月24日に盲導犬ベーチェルと私のユニットができあがりました。私にはまるでクリスマスプレゼントと思えるような愛らしいパートナーです。 4カ月経過の今。若いベーチェルの元気なお仕事ぶりと、楽しい行動は、私までも若返るようです。 フリルと同じ場所にベーチェルがいて、これまでと変わらぬ盲導犬生活がまた始まりました。 フリルのおかげでこれからのベーチェルとの8年間、、その先の次の盲導犬との8年間までも夢見、もっともっと挑戦していきたいワクワクな私になれているのです。
 心よりフリルに感謝。《8年間ありがとう》

 「小さな命にもやさしい環境作り」
  Cooperating Environment with Animals  CEA(セア)まり

第一話 木村 友紀

青字にパンダの絵が付いているコートを着てやや右向きにシッツしてカメラ目線でお澄ましするウルム 私は2014年2月まで、職場にもバス停にも駅にも近い所で1人暮らしをしていた。外出には最高の条件だったが、同時に寂しさや孤独感に潰れてしまいそうになっていた。  最愛の母を病気で亡くしてから、無気力な日々を過ごしていた。こんな生活がずっと続いて行くんだろうと諦め掛けていた。そんな時、「2軒でまとめ売りされている物件が見つかったからみんなで買わないか」と、叔父が声をかけてくれた。職場からは離れるが、駅に近い閑静な住宅街に新しい我が家はあった。こんなチャンスを逃してはならないと感じた。毛が飛んでも苦情は来ないし、家族の車を頼らなくても何処へでも行けるようになるのではないか?そう考えて、私は盲導犬と暮らすことをマイホーム購入の最低条件にしたのである。
 こうして、2015年5月末に盲導犬デビューした相棒のウルムは、私に楽しい毎日をプレゼントしてくれている。毎朝ウルムは、私を盛大な身震いで起こしてくれる。鎖ががちゃがちゃっと大きな音をたてると私も気合いが入る。冷凍食品を温め、ご飯に何かをかけるだけだった食事は、買い物に行けるようになってご飯、味噌汁、日替わりのおかずへとグレードアップした。車で送られていた通勤も、問題なく出来ている。遊歩道の散歩、スーパーマーケットや繁華街でショッピング、喫茶店で大好きなコーヒータイム、友達とランチタイム、歯医者さんや美容院で心身のメンテナンス等、お出かけを思い切り満喫できるようになった。また、ふらっと入った飲食店で盲導犬の入店を受け入れてもらえた時の喜びは何物にも代えがたい。歩いていると、私達はとても仲良しに見えるようで、すれ違う人が気軽に声をかけて下さるようになった。白杖1本で歩いていた時よりも、周囲の空気が優しく、困った時には助けを求め易くなったと感じている。そして、1番嬉しかったのは、私自身が優しい笑顔でいられる様になった事だ。やる気が起きない時や落ち込んだ時、ウルムの歩行速度は不安定になる。私が元気だと、しっぽをぶんぶん振って全身で喜びを表す。犬がこんなにも感情が豊かな動物とは知らなかった私は、ウルムに心配されないように毎日を笑顔で過ごす事に決めたのであった。
 生活が安定した今、私には大きな夢が出来た。ウルムと一緒に、全国47都道府県を旅行する事だ。2015年の8月には秋田県秋田市、9月には広島県福山市、11月には岩手県盛岡市と北海道箱館市を訪れることができた。さらに12月の年末には、郡司七重会長・ウランペアと一緒に再び箱館へ観光旅行をすることができた。北海道新幹線の開通にともない、急行"はまなす"が廃止になることを受け、「青函トンネルの中でコーヒータイムしてみない?」とお誘いを受けての旅だった。コーヒーカップをひっくり返して肝を冷やしたり、ハーネスの金属部が暖房の熱で高温になっていたことに気づかず仰天したり等ハプニングもあったが、根部会館でたくさん試食ができたこと、朝市を歩けたことは大変感動的な体験となった。これからもウルムと出かけ、美味しい物を食べ、地元の人達と触れ合って、盲導犬と生きていくことの素晴らしさを伝えていきたい。そして、地元青森に、1か所でも多く盲導犬と一緒に行ける公共施設や店舗を増やして行きたいと思っている。

平成27年10月3日徳島市内で起きた交通事故を受けての国土交通大臣への要望書

要望書
国土交通省大臣 石井 啓一 様

自動車における「車両接近通報装置」の搭載等視覚障害者に対する安全対策に関する要望書

 平成27年10月3日、徳島市で視覚障害者と盲導犬がバックしてきた2トントラックにひかれて亡くなる事故が発生しました。
 被害者の山橋衛二さんは、私達「全日本盲導犬使用者の会」の会員で、中途失明で盲導犬と生活を始めておおよそ25年、一緒に亡くなった盲導犬ヴァルデスは3番目のパートナーでした。このトラックには、バックする際に音で周囲に注意を促す「車両接近通報装置」がつけられていたのですが、運転士の判断でスイッチが切られていたようです。詳細な事故原因は明らかになってはいませんが、警報音が無かったことで被害者の注意を喚起することが出来ずに車にひかれてしまったのではないかと考えられています。警報音が鳴っていれば、被害者もその音を察知して足を止めたのではないかと想像されます。
 「あの時にちょっとしたタイミングのずれが起きていたならば、自分も盲導犬ともども大きな交通事故に巻き込まれていたかも知れない」というような経験を持っている会員は多くいます。また、本会会員の全てが仲間の死をとても悔しい気持ちで受け止めており、このような事故は決して有ってはならないものと考えています。
 是非、今回の事故を契機として、これ以上視覚障害者が交通事故に巻き込まれることのないような然るべき対策を早急に取っていただきたく、会員一同強く願っています。

 私達全日本盲導犬使用者の会は、今回のような悲惨な交通事故が再び繰り返されないことを願って、以下の事を強く要望します。

 一、すべての自動車に「車両接近通報装置」の搭載を行うこと。
 一、すべての車両が後ろに進む時や左折する時など音で知らせる安全対策を講ずること。
 一、搭載されている「車両接近通報装置」のスイッチが意図的に切られないような構造にすること。
 一、安全な走行を高めるため、車両が音を出すことに対して国民全体の理解を深めること。

全日本盲導犬使用者の会
 
要望書提出の際、盲導犬名の表記を誤っていましたが、ここでは正しい名前に修正し掲載しています。お詫びいたします。
日本盲人連合会 トラック・静音自動車などの警告音義務化の要望書提出 ページへ

「新会長としての抱負と願い」


 「全日本盲導犬使用者の会」を2015年度から1期2年間舵取りを担わせていただくこととなりました郡司七重です。
私は盲導犬と生活するようになってほぼ35年となりますが、この間には社会の中での盲導犬を取り囲む環境には大きな変化がありました。 その一番大きな変化は補助犬法という法律で私たちの生活が守られるようになったことです。
ただ私は時々守られていることが、私たちの日々を傲慢にさせてはいないだろうかと思うことがあります。 「補助犬法」という法律を前にかざせば、何事も受け入れてもらえる、許されると勘違いをしているのではと思うような使用者に遭遇するとき、とても哀しい気持ちになります。
私たち使用者はもっと謙虚にパートナーのコントロールに励み、もっとひたむきにパートナーとの前向きな生活を目指さなければならないと、私は考えます。 「権利」を主張すれば、必ず「義務」がその裏づけにあるように、私たちは「補助犬法」という大切な法律をしっかり抱きながら、使用者としての強い自覚を持って足固めをしてこそ、その上に未来への発展的展望を図られるのではと私は思うのです。
この願いを基本軸として「全日本盲導犬使用者の会」の未来の基礎作りに取り組む、それが私の会長としての任務だとも受け止めています。 この思いのこもったバトンを次の時代を担う人たちに手渡す、これが当面の会長としての私の努めなければならない方向性と信じて舵取りをする、これが私の強い意志です。
どうぞ私のこのあふれるような想いをご理解いただいて、皆々様の暖かな応援をよろしくお願いいたします。

2015年度・2016年度 役員

会長: 郡司七重
副会長・事務局・会報部: 蛭田友子
監事: 内藤夏子、 森田富廣
問題対策部: 杉元忠幸、 杉元あけみ
会計部: 生長善治郎
情報部: 山本誠
相談役: 清水和行

★新理事からのメッセージが、すきっぷ43号にあります。