新着情報

右向きにシッツしている盲導犬のイラスト
みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
 
ユーザー リレーエッセー "あいつと私"
最新号 第16話 第15話 第14話  "あいつと私"バックナンバー   読み物集のメニューページよりリンクしています。
 
ボランティア リレーエッセイ "ボクだって わたしだって おりこうなんだもん"
"ボクだって わたしだって おりこうなんだもん" バックナンバー   読み物集のメニューページよりリンクしています。
 
東京メトロ銀座線青山1丁目駅ホームでの盲導犬使用者の転落事故に関する声明 (平成28年9月)

交流会開催費補助制度(平成28年6月1日改正)を更新しました。
 
平成28年度 執行部組織
 
★ 第22回総会(平成28年5月)で承認されました、全日本盲導犬使用者の会 『規約』と『役員選挙管理規定』が更新されました。
 
新会長としての抱負と願い 郡司七重 平成27年6月
 
★ 日本補助犬情報センター 「補助犬受入実態の把握および阻害要因の調査報告(補助犬ユーザーアンケート調査編)」(外窓で開く)
 
★ 全国盲導犬施設連合会 情報誌 DUET25号・盲導犬情報第16号 (外窓で開く)
 
歩行・お仕事中の盲導犬。お仕事中の盲導犬には、声をかけないでくださいね < m(__)m >
お知らせ
 ほかのページをご覧になるには、各ページ下方に設置してあるナビゲーションより各項目別メニュー(セカンド)ページへ移動していただくことが出来ます。ナピゲーションへのリンクは、各コンテンツの後に設置してあります。
 また、トップページおよびメニュー(セカンド)ページのナビゲーションの後にはサイト内検索を設置してあります。お探しのキーワードで検索してみてください。
鹿児島大会にて、盲導犬たち No,7鹿児島大会にて、盲導犬たち No,8
 

ユーザー リレーエッセー "あいつと私"

第16話 "あいつと私"

去年の夏は、この帽子で、熱くなかったワン  私と「あいつ」が、パートナーになってから二年と七ヶ月になる。とても大きな体格で、顔は家族に言わせると、不細工だけど、可愛いので『ブサカワ』と呼ばれている。
 パピーウォーカーのお家では、外に出たがらないワンちゃんで、人と歩く事が楽しい事だと教えるのに苦労されたそうだが、今ではそんな面影は全くなくて、私が出かける支度を始めると、尻尾ブンブン、足踏みドンドンである。
 エルモは愛嬌たっぷりで、誰にでも尻尾をブンブン、前から散歩にやってきたワンちゃんが(ウー、ワンワン)と、唸ろうが、吠えようが、挨拶をしに行こうとした。また、横断歩道の前で、人が信号待ちをしていると、若い女性が好きで、お尻を後ろから鼻で、ツンツンする。やはり「おまえも男だなー」と、苦笑したものだ。
 全体的に少し落ち着きの無いパートナーであったと思う。しかし、「あいつ」にしてみれば、新しい環境で、突然に始まった得体の知れぬ「おっさん」との共同生活に途惑い、ストレスも大変なものであったに違いない。私にとって、初めての盲導犬だったので、事ある度に指導員さんからフォローアップを受けながら、一つ一つ修正して頂いた。やっと最近になって、「あいつ」との相性もシックリときだしたように思う。

 思い返せば、共同訓練で初めてエルモと外を歩いたとき、長らく忘れていた(一人で歩く)という感覚が蘇って、胸に熱いものが湧き上がってきたことを思い出す。
 指導員の方が見守ってくださっていたこともあったのだが、私は手を大きく振り颯爽と歩いた。共同訓練で使用するコースの三分の一は田園地帯で、鳥の鳴き声と、澄んだ空気のなかで、生きていると実感できた瞬間であったし、第二の人生を頑張って行こうと決意した時でもあった。

 最近、エルモと外出したときに、引退犬ボランティア・パピーウォーカー・繁殖犬ボランティアをされている方々から立て続けに声をかけられた。盲導犬は、色々な方からの協力を頂いて、育成されていることは、私も当然理解していたが、盲導犬として、立派に仕事をしているエルモを見て、本当に嬉しそうに話しかけて頂くと、感謝の気持ちで、胸が一杯になる。
 盲導犬育成に尽力して頂いている方々の思いを裏切らないためにも、「あいつ」と一緒に颯爽と、堂々と、闊歩して行きたいと思う。「これからも宜しくな!」頼もしい相棒、エルモ君。


 

第15話 "あいつと私"

私とパートナーのエルム  おはよう あれっ いつもとちがうわっ、左のベットからしか反応がないわ。そうだった今日からエルムはもういないんだった。9歳になったエルム、後一 二年 お仕事残してリタイヤ。
 それと言うのも一年半くらい前から集中力が、かなり失せてきたように思えてなりませんでした。危険が伴う歩行が目立つようになったのです。
 元々わんちゃんが大好きなようで 外で出会うと仕事そっちのけ、私のことも忘れてしまっているのじゃないかしらん と思えるほど。散歩中のわんちゃんに出会うと もう元気ハツラツ、前を歩いていれば そのわんちゃんのおしり目掛けてシッポふりふり、スピードアップアップ。正面から来るわんちゃんには、私のノーと言う声を聞かないよう、ぎりぎり すれ違いざまに飛びつくことをやってくれるのです。それも、人家の玄関先、交通量の多い国道41号空港線、人通りもまぁまぁな交差点、場所は選んではくれません。おかげで何度ひっくりかえりそうになったことか、いえいえホントにひっくりかえって恥ずかしいやら痛いやら。いやはや今思えば それもなつかしい思い出。
 エルムとさよならする際にもっと頑張れないのか?後ろ髪を引かれる思い未だ消えません。まぁとにもかくにも色々とやってくれました。ジグザグ歩き、空中の臭い取り。水溜りがあるとエルムは上手に避けます。そうです水は嫌い。でも、わたしがバシャンです。よそ見してたのかエルム自身が壁に頭をゴツン、これにはビックリ「えっまさか、この子目がわるい?」なんて。
 こんな事ばかりでは もちろんございません。細い道、それはなんとも言えず上手なんです。地下鉄では改札をぬければ、それは得意げに、迷うことなく4回ほど角を回りエレベーター出口へと。それに、降りる駅一つ前の駅で立ち上がり降りる準備が出来ています。
 とにかくエルムがいない今は、大変だったこと、怖かったこと、泣きたくなったことも忘れ、振り返ればみんな良い思い出となって、寂しいかぎりです。

 家は、全盲の主人とパートナーのアイビィがいます。
 お互いの体の為、パートナーの健康の為、私たちは散歩が欠かせません。散歩の際は、前に主人とアイビィが歩き、私は、羨ましいと思いながら せっかちでイケイケの主人のショルダーバッグを掴んで必死のパッチでついていきます。そんな時、エルムの足跡を感じながら、「もう一度、盲導犬と歩いてみようかなぁ」って思うこの頃です。


 

第14話 "あいつと私"

自宅でくつろぐアイビィ  僕のお父さんは「行け行けお父さん」です。
 1代目のお兄さんの時は、福井県敦賀市で暮らしていました。
 夏は日本の三代松原である気比の松原の海水浴で、沖の方まで横に並んで泳いだり、秋は、クーラーボックスと釣り竿など背負って、港の岸壁へ魚釣りに行くのですが、今日も不漁ヤナーと言っては、クーラーボックスには、何本かの缶ビールが入っていて、そのビールを飲み終わると、「サァ帰ろう。」
 冬は琵琶湖の知内浜へ写真撮影に行き、吹雪と白鷺、又は、夕焼けが湖面を赤く染め、2羽の白鷺が舞い上がる時が、「シャッターチャンスや」と言っては、雪の積もっている木の下で何時間も薄い敷物の上で待たされて「大自然はいいやろう?」と言うのです。
 1代目のお兄さんは、さぞかし大変だっただろうな?

 そしてお兄さんの5才の時に、2歳年下の義理の弟とお母さんが過ごしている名古屋市に来ました。
 それからは何事も、家族で行動することになり、何か運動を始めなければと思っていたところ、初めて区の、視覚障害者の交流会に参加した時に、ブラインドゴルフをしませんか?と勧められました。
 お母さんが、以前ゴルフをやっていた事もあり、ブラインドゴルフを始めることにしました。まず、クラブなどを揃えて、両手は、ボクたちのハンドルを持つので、荷物は背負わなければなりません。試行錯誤を繰り返しながら、リュツクサックに金具など利用して、キャディバックを取り付ける作業をしていました。
 週に1回は、地下鉄とバスに乗り、約1時間30分で練習場に行き、年に3〜4回は、ラウンドに行きました。
 思い出は、伊東のサザンクロス カントリークラブや伊勢志摩カントリークラブや京都の上賀茂コース、そして、レイクホレスト リゾートカントリーなど各地のゴルフ場で、お父さんとお母さんのラウンドが終わるまで、お姉さんと日陰の木の下で待っていました。

 その後、義理の弟も引退しまして、お姉さんが家族になりました。
 そして、2代目のお兄さんは排泄不全だったので、3代目としてボクが家族になりました。
 ちなみにお姉さんは、ヤンキー風で、ボクより半年年上で、前を歩いている時、ボクが少し遅れると、チラッ チラッっと後ろを振り返って、「早く来い」という目つきをするのです。
 また、ボクが前を歩いて、途中でわき道を曲がっているのに、わざと、わが道を真直ぐに行き、はぐれるたびに、お父さんが携帯でお母さんに、「また はぐれたなぁ、今、どこに居るのや」と頻繁に電話をしています。
 そんなことでで、お姉さんが前を歩くようになり、ボクは後を歩くのですが、お姉さんはマイペースで、ワンちゃんと会う度、お愛想で寄って行ったり、時々大回りして、匂いをチラッと取りに行くので、そのつど ボクがその真似をするたびに、チョークチェーンが閉まり叱られます。

 ある日のことです。ゴルフ練習場へ行く時、通常は電車を降りて、上りのエスカレータに乗って改札口に行くのですが、その日は、なぜかエスカレーターの所を通り過ぎたのか?あちらこちらと階段かエレベーターを探しながら歩いていました。常に、お父さんは「寄って寄って」と命令します。ボクは線路側を歩いていました。なおかつ、お父さんは「寄って」と言い、ボクの体を少し触れ、リードは持たれたまま、ホームからスウーッと落ちてしまいました。
 「アレッ アイヴィーが落ちたぁ!」と お父さんが声を出し、ホームに腹ばいになって、ボクの頭に触れるまで、リードを引きました。お父さんとお母さんは大声で「すみません すみません!誰か いませんか? 誰か いませんか? 助けてください!」と大声で何回も叫んでいました。この駅は終点駅で、乗客の皆さんは下車して、ボクたちが最後で、他に誰もいませんでした。なかなか返答がなく、数分たってから、「どうされましたか?」と言いながら、駅員さんが来てくださりました。お父さんが「犬が落ちました!早く助けてください」と 言いましたら、駅員さんが、一言「ここの線路は今のところ電車は入らないから慌てなくても大丈夫です。」と言いました。
 その時、お父さんとお母さんは腰のぬけそうな声で「ああーよかった よかったー 心臓が止るくらい心配だった」と言っていました。駅員さんは「大きい犬やなぁ 私一人で上げられないので、誰か一人呼んできます」と走って行き、男性の若い人を連れてきて、ボクをホームに上げてくださいました。
 ボクは39.8sあるのに、なぜ、踏ん張る事ができなかったのか?主人に忠実だったのか?スウーッとゆっくり落ちたので、怪我もなく、心配をおかけしましたが、一見落着でした。
 その後、お父さんに「なんで落ちたのかナァ?」と聞かれましたけれど!ボクは言えません!。

 その後 年月がたち、ブラインドゴルフもやめて、名古屋のフロァバレーボールのチームに入り、中部大会やエンゼルカップに出場しました。
 現在、お母さんはフロアバレーボールを続けていますが、お父さんはプールへ泳ぎに行っています。
 また、直径13センチ、長さ2メートルの青竹をネットで購入したり、知人に頂いたりして、それを細工し、窓際に大きな竹の棚を作り、ボクのハウスの上にも、2段ぶら下がっています。そこに、洋蘭のパフィオ系が主に、ハッカやバニラーやチョコレートなどの香りのする蘭の鉢を沢山置いて、花が咲くのを楽しみにしているみたいです。

 また、天気のいい日は歩かなければと言っては、散歩は、万歩計を持って名古屋城のお堀を一周するのですが、近道をしたり歩道橋を渡ったりするので、通る道によって、建物側にまわったり、階段を上り下りしなければいけないので、間もなく10歳のボクです、とても疲れるようになりました。それにしても距離を遠く歩かなくてはと言っているのに、近道、また近道をするのです。言っていることと行動が全く違うのです。
 日々さまざまな所へ出かけ、褒められたり叱られたりしての珍道中、4代目にバトンタッチするまで、「行け行けのお父さん」の安全盲導につとめます。

東京メトロ銀座線青山1丁目駅ホームでの盲導犬使用者の転落事故に関する声明

 平成28年8月15日17時45分ころ東京メトロ銀座線 青山1丁目駅 渋谷方面ホームから盲導犬使用者の品田 直人氏が転落、死亡するという大変痛ましい事故が起きました。
 被害者ご本人はもとより、ご家族様に深く哀悼の意を表します。

 駅ホームは視覚障碍者にとって欄干のない橋を歩いているような場所です。盲導犬使用者の私たちも転落しましたら命がないか、或いは大きな怪我を負うことは必定な場所です。それだけに私たちはパートナーの盲導犬との慎重な歩行を行っていますが、その駅ホームによっては狭い場所に柱やベンチ等、多くの障害物があります。その上、電車に乗り降りする人等、本当に多種多様な利用者が行き来し、非常に危険な場所であります。
 特に駅ホームでは、走行する電車の音が反響し、時にはホームでのアナウンスが聞き取れない場合が多々あります。
 そんな悪条件が重なると、私たち盲導犬使用者は現状判断ミスをしてしまうことさえあります。
 もちろん同伴する盲導犬は決してスーパードッグではありません。あくまでも私たち使用者の指示により、彼らは自分の能力を発揮するのです。
 盲導犬使用者にとって、安全、安心できる歩行、各種交通機関を利用しての安全、安心できる移動は、日常的に強く切望するところです。

 今回の東京メトロ銀座線 青山1丁目駅ホームから盲導犬使用者が転落死したという悲報を受け、私たち全日本盲導犬使用者の会は、より安全に、より安心できる駅ホームを利用するために、次のことを強く求めます。
 

一 ホームドアの早急な設置と、ホームの点字ブロックの再点検等、ホーム上の再度の安全点検をすること。
一 すべての駅ホームに安全監視員など駅係員の人員を増やすと共に、その在所時間帯を長くすること。
一 ホームでの歩きスマホや、点字ブロック上の歩行を妨げる行為等、迷惑行為を強制的に禁止すること。
一 すべての駅に内方線付き点状ブロックを敷設するとともに、視覚障碍者がホーム上の点字ブロックを踏み越え、線路側により近い場所に足を踏み入れたことが、自分自身の足裏の感覚で確実に判断できるよう、ホーム端の部分の床材を容易に判断可能な材質にすること。
一 盲導犬訓練所において全ての盲導犬のフォローアップを定期的に行うことを義務付けること。
一 駅のホームや、各種交通手段の利用等、社会の中で多くの人々に盲導犬使用者を見守り、危険に遭遇しようとしている場合には、速やかに声がけや援助をしていただけるよう私たち盲導犬使用者も強く社会へ啓発、啓蒙に努める。
一 盲導犬使用者が二度とこのような悲惨な事故に巻き込まれないよう、私たち使用者も、より安全な移動に努めて行くと共に、関係各機関に対し安全対策を計るよう強く求める。

平成28年度 執行部組織

 会長 郡司七重
 副会長(事務局担当) 蛭田友子

 理事 会計部 生長善治郎
 理事 情報部 山本誠
 理事 会報部 すきっぷ担当 溝尾智重子
 理事 会報部 池田純
 理事 問題対策部 杉元忠幸
 理事 問題対策部 杉元あけみ
 部員 問題対策部担当 栗田陽子

 監事 森田富廣(とみひろ)
 監事 内藤夏子

 相談役 清水和行

「新会長としての抱負と願い」


 「全日本盲導犬使用者の会」を2015年度から1期2年間舵取りを担わせていただくこととなりました郡司使用者の足元に伏せて待機する盲導犬七重です。
私は盲導犬と生活するようになってほぼ35年となりますが、この間には社会の中での盲導犬を取り囲む環境には大きな変化がありました。 その一番大きな変化は補助犬法という法律で私たちの生活が守られるようになったことです。
 ただ私は時々守られていることが、私たちの日々を傲慢にさせてはいないだろうかと思うことがあります。 「補助犬法」という法律を前にかざせば、何事も受け入れてもらえる、許されると勘違いをしているのではと思うような使用者に遭遇するとき、とても哀しい気持ちになります。
 私たち使用者はもっと謙虚にパートナーのコントロールに励み、もっとひたむきにパートナーとの前向きな生活を目指さなければならないと、私は考えます。 「権利」を主張すれば、必ず「義務」がその裏づけにあるように、私たちは「補助犬法」という大切な法律をしっかり抱きながら、使用者としての強い自覚を持って足固めをしてこそ、その上に未来への発展的展望を図られるのではと私は思うのです。
 この願いを基本軸として「全日本盲導犬使用者の会」の未来の基礎作りに取り組む、それが私の会長としての任務だとも受け止めています。 この思いのこもったバトンを次の時代を担う人たちに手渡す、これが当面の会長としての私の努めなければならない方向性と信じて舵取りをする、これが私の強い意志です。
 どうぞ私のこのあふれるような想いをご理解いただいて、皆々様の暖かな応援をよろしくお願いいたします。