盲導犬情報 第40号(2004年1月)   編集 盲導犬情報室     〒616-8226 京都市右京区常盤段ノ上町2 (財)関西盲導犬協会内     電話:075(881)4618 FAX:075(881)1224 発行 全国盲導犬施設連合会     〒160-0007 東京都新宿区荒木町18-7 四谷長岡ビル202号室     電話:03(5367)9770 FAX:03(5367)9771   2004年1月31日 発行 内容 「身体障害者補助犬法」の周知状況に関するアンケート調査報告(1) 聞き書き・台湾導盲犬協会を訪ねて 盲導犬情報ボックス  身体障害者補助犬受け入れに関する相談窓口 編集後記 「身体障害者補助犬法」の周知状況に関するアンケート調査報告(1)  盲導犬に関する調査委員会では、昨年10月、身体障害者補助犬法が施行され1年が 経過したのを機に、宿泊施設・飲食店・病院に対し、アンケート調査を実施しまし た。そこで、今回から数回に分け、この調査結果についてご報告していきたいと思い ます。 1.調査の目的  2002年10月1日より「身体障害者補助犬法」が施行されました。しかし「不特定か つ多数の者が利用する施設」に関しては、適用が1年延期されていました。また、 「身体障害者補助犬法」の附則第六条には、「施行後三年を経過した場合において は、身体障害者補助犬の育成の状況、第四章に規定する施設等における身体障害者補 助犬の同伴又は使用の状況その他この法律の施行の状況について検討が加えられ、そ の結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」と明記されています。  そこで、施行一年後の周知状況を把握して問題点を探るとともに、「三年後見直 し」に向けた取り組みの一環として、全国の宿泊施設・飲食店・病院、約1500件に対 してアンケート調査を実施しました。 2.調査の方法 (1)アンケートの実施時期  2003年10月1日〜10月31日 (2)アンケートの対象および件数  全国のホテル298件、旅館427件、病院449件、飲食店297件、合計1471件 (3)調査の手続き  全国のホテル・旅館・病院・飲食店から無作為に抽出し、アンケート調査票を郵 送。郵送した際には、調査票、返信用封筒の他に「身体障害者補助犬法Q&A」1枚 と「補助犬同伴可ステッカー」を同封。 (4)有効回答数  ホテル・・・ 151件(50.7%)  旅館・・・・ 63件(14.8%)  病院・・・・ 130件(29.0%)  飲食店・・・ 78件(26.3%)  合計・・・・ 422件(28.7%) 3.調査結果 問1 「身体障害者補助犬法」を知っていますか?  1.法律の名称も内容もよく知っている・・・169(40.1%)  2.法律の名称は知っているが、内容はよく知らない・・・191(45.4%)  3.法律の名称も内容も知らない・・・61(14.5%)  <墨字版には円グラフが入っています> 問1−2(問1で1.を選んだ場合のみ回答)法律に関する情報を主にどこから得まし たか?一つ選んでください。  1.国等の行政機関・・・23(13.6%)  2.新聞やテレビなどのマスコミ・・・85(50.3%)  3.業界団体・・・47(27.8%)  4.盲導犬協会等の補助犬育成団体・・・9(5.3%)  5.その他・・・13(9.5%)  <墨字版には円グラフが入っています> 問2 従業員の皆さんにどのような方法で周知していますか?(複数回答可)  1.補助犬法に関する研修会を開いて詳しく説明した・・・12(2.9%)  2.会議や朝礼等で法律について簡単に説明した・・・138(32.8%)  3.冊子やパンフレットを配布した・・・93(22.1%)  4.特に何もしていない・・・198(47.0%) 問2−2(問2で4.を選んだ場合のみ回答)今後、何らかの方法で周知を図る予定は ありますか?(複数回答可)  1.研修会を開いて詳しく説明したい・・・3(1.5%)  2.会議や朝礼等で説明したい・・・67(33.8%)  3.冊子やパンフレットを配布したい・・・80(40.4%)  4.特に何も予定していない・・・83(41.9%) 問3 障害者が補助犬を同伴する場合、補助犬の受け入れについて、今後どのように お考えでしょうか?一つ選んでください。  1.法律施行以前から受け入れていたので、これからも受け入れる・・・210(49.9%)  2.今までは受け入れていなかったが、これからは法律に従い受け入れる・・・113 (26.8%)  3.補助犬法は施行されたが、今後とも受け入れることはできない・・・26(6.2%)  4.どうしたらよいかわからない・・・72(17.1%)  <墨字版には円グラフが入っています> 問3−2(問3で3.を選んだ場合のみ回答)受け入れることはできないと思う主な理 由を一つお選びください。  1.お客様から苦情があると思うから・・・1(3.8%)  2.衛生上問題があると思うから・・・8(30.8%)  3.受け入れるための設備や従業員の配置が十分でないと思うから・・・16(61.5%)  4.その他・・・1(3.8%) 問4 補助犬の受け入れ義務について、どう思われますか?  1.障害者の社会参加を保障するために当然のことである・・・322(76.3%)  2.公共性の高い施設や交通機関については当然だが、「不特定多数の者が利用する 施設」も義務化するのは行き過ぎである・・・71(16.8%)  3.補助犬の受け入れを義務化すべきでない・・・17(4.0%)  4.その他・・・11(2.6%)  <墨字版には円グラフが入っています> 問5 諸外国の類似の法律では、受け入れを拒否した場合に罰則を設けている例があ りますが、「補助犬法」にも同様の罰則は必要と思いますか?  1.法律の実効性を高めるためには、罰則も必要と思う・・・68(16.1%)  2.啓発活動によって意識を高めることが大切で、罰則は必要ない・・・292(69.2%)  3.よくわからない・・・50(11.8%)  4.その他・・・11(2.6%)  <墨字版には円グラフが入っています> 問6 「補助犬法」には、3年後見直し規定が盛り込まれています。見直すべき箇所 があるとすれば、それはどこだとお考えですか? −自由記述をa.具体的な改善点、b.具体的な提案、c.肯定的な意見、d.不安意見や疑 問点(その他)などに分けて記載しています。順不同− a.具体的な改善点  ・施設に著しい損害が発生し、又は著しい損害を受けるおそれがあるなど、やむを 得ない理由とは明確ではないが、具体的にお願いしたい。  ・受け入れ拒否に対して罰則を設ける。  ・罰則規定  ・補助犬の育成に行政機関が積極的に資金援助することを盛り込むこと。  ・罰則を明確化すべき。  ・ホテル、旅館業、大小様々で小さいホテル、旅館等では専門の係員等配置は無理 で扱いが不慣れと思われる。規模によって義務化はなされるべきでしょう。  ・補助犬とペット犬の区別を明確にさせ、客側がペット犬を連れた場合の罰則も必 要と思う。  ・基本的にすべての施設を対象とする事を前提として対象範囲を広げるべきであ る。動物特有の性質上、問題となる施設以外はすべて対象とすべき。動物園等は困難 かも。衛生上問題があるからといって拒否するのは一種の人種差別である。  ・各種施設を利用する場合、できるだけ事前に利用箇所へ連絡をいれるようにする (事前に情報が入っていればより良い対応ができる)。  ・義務化しても、施設や設備などで受け入れることが出来ない場合もあるので、そ ういった点を考慮して見直しも必要かと思います。  ・実施された後の状況を検討する。  ・補助犬の普及促進策、道路交通法(盲導犬)との調整(一本化)  ・何の補助犬なのか、例えば盲導犬か介助犬、聴導犬なのか、一目で見て理解でき るように公共機関がハーネスに種別を大きく記入したものを支給すればより理解が深 まり協力者が増えると思う。  ・実態をよく見きわめて条例化すべきである。一律にするのは不適切。  ・受け入れ義務拒否に対する罰則規定の内容を議論、検討していくべきであると考 えております。  ・現状あるのかもしれませんが、義務化に伴う諸条件の設定、強制範囲、使用部屋 の規定など  ・行政と協会、または各協会同士の連携をもっととっていただきたいと先に感じて おります。盲導犬は馴染みやすくマニュアル作成でもりかいしやすいのですが、介助 犬、聴導犬は頭数も少ないことに加え、実態が理解しづらい。ペットとの区分を含め て確認方法(表示、手帳)に関して利用者がスムーズに出来るよう見直して欲しい。  ・問5でありました「補助犬法」の罰則につきまして、三年後の見直しの状況によ り検討すべきであると考えます。  ・啓蒙活動に関しては特に触れていないようだが、義務化に伴い、重要になってく る部分と思われる。行政や法人の「啓蒙活動に対する努力」について規定の必要があ るのではないか。  ・私共の宿泊施設の場合、やはり衛生面、安全性、アレルギーなど「お客様の生命 維持」に対し配慮しなければならない問題が多く生じます。しかしながら不完全なが らもバリアフリールームを設けているので前向きに検討、導入(受け入れ)を考えて いくために「義務化」から「奨励」という言葉に置き換えてはどうかと思います。  ・不特定多数の者が利用する施設をもっと細分化すること。障害者の社会参加実現 と同時に受け入れ施設の権利を侵害しない法律、または選択肢の余地のある法律にし ていただきたいと思います。  ・不特定多数、工事関係者等の利用される長期滞在型の小規模施設等、義務化する のはいかがなものか。見直し考慮すべきだと思います。  ・衛生上の問題(毛が飛んだりしないように)  ・対応具体例を周知すべき(業種、業態別)  ・補助犬に共通した一般の人にもそれと分かる標識(目印)があるとよいと思いま す。現行は表示は義務ですが「どのような」が規定されていません。  ・食品衛生との相関について b.具体的な提案  ・まずは補助犬の存在を知らせるべきです。  ・実際に障害者の方と補助犬だけで動ける行動範囲に限りがあると思う。当店は、 ホテル内にあるが一度も見たことがない。もっと公に宣伝してあげるべきだと思う。  ・医療機関における感染症対策をきちんとしてほしい。  ・新聞、マスコミ、テレビ、イベント等もっと広報活動をしながら、障害者さんの 普段の生活を知ってもらい、いかに手となり足となるかを強調する。  ・より社会的に意識を高めていく啓発活動の維持が必要だと思われます。  ・飲食店に対する教育の徹底と、来店する客に対しての相互理解を得られるように してほしい。こちらが受け入れても他の客に拒否される事もあるので、補助犬に対す る理解の徹底をお願いしたい。  ・排泄の訓練等を含め総合的に質を高めるよう訓練施設や訓練士の育成等を国によ って拡充すべきこと。  ・補助犬の受け入れを拒否するケースとして施設や利用者に著しい損害が確認され る際が認められているがその具体例が告知されるとよい。犬アレルギーのお客様が先 に着席されていた場合でも、ご本人から事前にその情報を伝えられることは現状では 無い。こういったケースのオペレーションをスムーズに進める方法が課題です。補助 犬についての全国統一基準と今後のさらなる質の高い教育をお願いします。  ・補助犬を受け入れるが、それと同時に補助犬を連れている人を拒むということは 出来ない訳で、補助犬を連れている人物の人柄によると考えます。障害を持った人で あれそうでない人であれ、施設側はその品物の内容によって受け入れるかどうか判断 するのではないでしょうか。その意味では義務化する事そのものに何の意味もないと 思います。義務化したところで、受け入れを拒む人は拒むでしょうし、それよりは盲 導犬についての認識を社会的に高める事に重点を置くべきだと思います。  ・法がある事は知っていても、その内容や法自体知名度が低いためあまり意識を持 つ事ができない。メディアを使った広告等、もっと活用すべきでは?でないと見直す べき所がまだ分からない。  ・三種の犬の認定を異なる省庁で行う事自体がおかしい。不必要な団体の見直しと 省庁の再編がまず必要である。弱者が安心して快適に過ごせるよう最大限社会が補助 すべきと考えます。  ・全般的に認識不足が一番であると思う。又、人によって「犬」を好まない人がい るのでその点でどう説明するかが大変であると思う。  ・不特定多数の者が利用する施設において、例えばどうしても犬が嫌いな人や酔っ た方が(悪気がなくても)何か補助犬に対してしてしまった場合などまだまだ不安が ある。出来れば受け入れに対して選択制がとれればいいと思うが、皆さまの補助犬に 対する理解度を高めてもらえるよう今後ともご努力していただけましたらと思います。  ・内容がよく分からないので見直すべき点は意見できませんが、安心して受け入れ られるように補助犬Q&Aは有効だと思います。  ・少しは知っていますが、もっと周知していくべきだと思う。三年後の見直し以前 の問題で、保健所の講習会等に経営者や従業員に知らせる方が先決問題だと思う。チ ラシ等でも配布してくれたらいいと思う。冊子やパンフレット等何もないですよね。  ・年々啓蒙活動が充実する事を望む。  ・関係省庁でアピールを更に徹底した方が良いと思う。  ・三年後どこまで身体障害者補助犬法が受け入れられて、どこまで一般的になって いるかが問題です。介助犬、聴導犬は静岡にはいないと聞いています。対応のやり方 など、県毎にパンフレットなど配布したらいいと思います。  ・一般消費者の認知度を高めるため官民一体となった広報活動等が重要と考えられ ます。  ・認知度を高める  ・一般消費の認知度を高めるため官民一体となった公報活動等が重要と考えられます。  ・見直しではないが、1)啓発活動を活発に行って欲しい、2)訓練士、訓練犬が不足 と言われるので、その方面の対策も早めにできるよう頑張ってください。   c.肯定的な意見  ・実施している中で問題点が見えて来るかもしれないので、今どうこうは言えない と思う。利用者、受け入れ共にそれぞれの立場で考え、共にもっと良い内容になれば よいと思う。  ・当面は現状でよいと考えます。  ・現在の補助犬法には特にないと思う。(人、犬が)一体と見るので。  ・補助犬育成のための国の多少の協力があってもいいと思います。うちもラブを飼 っているので、盲導犬や他の補助犬にも協力したいと思います。ガンバレ!! ・9月より盲導犬の募金箱とパンフレットを設置しました。  ・補助犬法に関して知識がとぼしいのでこれから勉強していきたいと思います。  ・よくわからないが前向きに考えてほしいですね。  ・資金面について〜障害者の社会参加を当然の権利として保護するためにも寄付行 為だけに頼るのではなく、国からの助成、補助として安心して運営、又補助犬の育成 に取り組むことが出来るよう働きかけをすべき。福祉国家としての在り方が問われて いるように思われる。  ・もっともっと障害者の方たちが自由にどこでも行けるよう健常者と同じように生 活が出来たらと思います。私ども旅館をやっておりますが猫が堂々とカウンターのと ころで寝ているし、ダックスのオス、メスを家の中で飼っています。又ボタンインコ が一羽と動物が大好きです。  ・アンケートを記入している私自身がこの法律について認識不足ですのでどこを見 直すべきかよく分からない。しかし、今後受け入れるためにも勉強しておきます。 d.不安意見や疑問点(その他)  ・ご質問とは関係ありませんが、かつて××盲導犬協会で“横領”という事件があ りました。人々の善意を踏みにじる行為です。補助犬事業に携わる方々は姿勢を正し てください。  ・よく分からない。  ・内容についてはよく知らない。  ・当院では事例もなく、見直しすべき点がよく分かりません。  ・この地域では補助犬を見かけることはほとんどなく、問題点等も不明です。  ・犬の嫌いな人もいます(私もキライです)。何もかも法制化して強制するのはい かがなものかと思う。我々小規模旅館に設備etcの負担を強いるのに疑問を感ずる。盲 導犬以外の身障の人々に対する受け入れも現状では無理です。ただ、盲導犬育成には 賛成します。必要なことと感じています。寄付もしたことがあります。理解を求めま す。よろしく。  ・わからない(今後の成り行きを見守りたいと思います)。  ・病院であるので雑菌が持ち込まれないか心配である。  ・法の詳細は不明だが補助犬としての資質、基準、その維持、所有(借受)者責務 についてはどうなっているのでしょうか。すべての障害者の方がベストな管理が出来 るとは思えないが。  ・法律についての見直しよりも、具体的にどのような形で受け入れているのか知り たい。犬の食事について、フンの処理についてどういう準備をすればいいのか。どう いう苦情があって、どう対処したか等。  ・規定よりも内容のPRが不足している気がする。  ・今現在はまだ何とも回答出来ません。  ・余計な事かもしれませんが犬は道具ではなく、よく手入れしてあげてほしいと思 う事がよくあります。毛の生え替わりはとくに。  ・内容が分からないため回答できません。 ・障害者の方の社会参加はとてもいいことだと思いますが、極度に犬を怖がる人も いますので配慮が必要だと思われます。  ・不明。今後の取り組みによる。  ・元の法律を知りませんので分かりません。 ・法が国民に周知されていないのは、法を発信している側にも責任があると思う。  ・問の回答ではないのですが「身体障害者補助犬法」では触れられていない疑問点 があります。補助犬がお部屋の中で(トイレではない場所で)尿、糞をした場合、汚 れたカーペットのクリーニング代金、またはその悪臭が原因で何日間も商品として売 る事が出来ない場合、その合計金額は誰に請求したらよいのでしょうか。飼い主であ るお客様に請求してもよいのでしょうか。  ・内容を詳細には知らないので回答できない。  ・旅館の施設を改善する事ができればいつでも受け入れる事が出来ます。内容がよ く分からないので見直すべき事が出来ない。  ・障害者がお一人で旅行、お食事などされる場合、サービスする側の立場から考え ると事実上、無理があるように思われます。アテンドしてお世話する専任のスタッフ をつけるなどの場合もあり非常に負担になる場合もあります。  ・当館は一階に客室がなく、ペンションですので靴を脱いで入館してもらう関係上 通常のホテルか旅館と同じような法でくくられても対応出来ない場合もあります(ペ ンション=居宅と同等の建築物)。また、アトピーの子どもがいるのですべての動物 の入館は困ってしまいます。  ・障害者の人にしてみれば大切な事かもしれませんが、設備、衛生、保障など受け 入れる側としては大変な事であります。義務化とか罰則などとんでもないことであっ て利用できるような施設を実態把握して施行していただいたらと思います。  ・当館は収入も少ないごく小さな旅館なので施設を今すぐに作ることが難しいし、 隣の部屋も近くて物音も聞こえてしまうので、無理です。外につないでおくとか車の 中に入れておくのは今までもやっています。ただし、障害者ではありませんでした。 ・飲食店の形態(ファーストフード等)によっては物理的に受け入れが難しい場合 があり、メリハリが必要と思います。  ・当店等古い店はいまだに障害者の方の車イス等で食事をされるように対応出来て ません。いたるところに段があり、それを取ると当店のイメージが変わってしまいま す。京都にはそのような店がたくさんあります。どのように見直しをされるつもりで しょうか。 聞き書き・台湾導盲犬協会を訪ねて  台湾には、1996年に設立された恵光(ホェィクァン)盲導犬センターと2002年に設 立された台湾導盲犬協会という二つの盲導犬育成団体があります。そのうちの恵光盲 導犬センターや台湾の歩行環境については、「盲導犬情報第35号」に掲載した石上智 美さん(筑波大学大学院)の「台湾の盲導犬事情」に詳しく書かれています。  今回は、もう一つの盲導犬育成団体である台湾導盲犬協会に招かれ、数日間台湾に 滞在した(財)関西盲導犬協会の下重貞一さんに、台湾の様子をお聞きしました。  台湾導盲犬協会は台北市にあります。協会発行のパンフレットによれば、台湾の視 覚障碍者数は約5万人。そのうち盲導犬ユーザーは8人。日本以上に、盲導犬が不足 している状態です。  今回、台湾に滞在したのは4日間という短い期間ですが、その間、盲導犬ユーザー に会って話を聞いたり、パピーウォーカーの家庭を訪問しました。  お会いした盲導犬ユーザーは、30代と20代の男性と20代の女性の3人。30代男性の 盲導犬は、ニュージーランドの盲導犬協会で育てられたゴールデンリトリーバー。他 の二人の盲導犬はアメリカのリーダードッグスという盲導犬訓練施設で育てられたラ ブラドールリトリーバーとゴールデンリトリーバーでした。  台湾での盲導犬使用環境はたいへん厳しいようです。歩道上には自転車やバイクが 置いてあり、歩道を通れず車道に降りざるを得ない場所が多くあります。バイク・自 転車だけでなく不法駐車の車があったり、店の商品なども歩道に並べられていたりし ます。また野良犬や野良猫が多く、しかも彼ら用のエサなのか、町のあちこちに食べ 物が置いてあったりします。  盲導犬ユーザーにとって日本以上に厳しい歩行環境ですが、一方、パピーウォー カーは子犬を連れて地下鉄に乗ったりお店に入ることもでき、その点では日本の方が 厳しい状況にあると言えるかもしれません。 盲導犬情報ボックス   身体障害者補助犬受け入れに関する相談窓口  身体障害者補助犬法が全面施行されて4ヶ月が経ちました。この間、公的施設での 盲導犬ユーザーの宿泊拒否が思いの外大きく新聞に報じられました。あれほど大きく マスコミに報じられたのは、やはりこの補助犬法全面施行直後ということが影響して いたのではないでしょうか。  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課社会参加推進室では、啓発のための ポスターやパンフレットを作成して配布しています。その中で、相談窓口として各都 道府県障害福祉担当課をあげています。  一方、盲導犬だけでなく介助犬や聴導犬などの育成団体が、自分の団体のホーム ページに相談窓口を設けたりもしています。盲導犬育成団体では、(財)日本盲導犬 協会が、昨年9月に身体障害者補助犬法に関するシンポジウムを開催後、「身体障害 者補助犬法SOSアドレス」を設置、ホームページから身体障害者補助犬法に関わる 方からの相談を受けることができるようにしています。この数ヶ月間で寄せられた メールは十数件。受け入れ側の業者や病院、行政からの問い合わせがあり、業者から は「どんな準備をすればいいか?」、行政からは「保健所管轄の業者にどのように説 明したらよいか?」といった内容の相談があったそうです。  日本盲導犬協会のホームページアドレスは、http://www.jgda.or.jp、「身体障害者 補助犬法SOS」アドレスは、hojokenhou-sos@jgda.or.jpになっています。 お知らせとお願い お知らせ  2004年1月19日より全国盲導犬施設連合会事務局が下記のところに移転しましたの で、お知らせいたします。   〒160-0007 東京都新宿区荒木町18-7 四谷長岡ビル202号室   電話:03(5367)9770 FAX:03(5367)9771  お願い  「盲導犬情報」を発行するようになって10年が経ちました。創刊当初お世話になっ たワープロソフトは一太郎ver.3。パソコン通信を利用して盲導犬情報を送ろうとして もうまくいかず、とうとうパソコン通信は利用できないままで終わってしまいました。  この10年間にいろいろな変化がありました。これからの10年間で、社会はどう変わ っていくのでしょう。どう変えていったらいいのでしょう。次回の盲導犬情報では、 10年続いたお祝いに、10年後の夢、展望など、いろいろな方の声を載せてみたいと考 えています。盲導犬に関することであればどんなことでも構いません。匿名でも結構 です。先行き不安なご時世ですが、10年後を明るく予想してみませんか?  原稿の送り先は、以下の通りです。 郵送の場合:〒616-8226 京都市右京区常盤段ノ上町2 (財)関西盲導犬協会内 盲 導犬情報室 メールの場合:kgdbaof@mbox.kyoto-inet.or.jp Subjectに「盲導犬情報原稿」とお書きください。 編集後記 上の「お願い」にも書きましたが、『盲導犬情報』も第40号を無事発行することが できました。綱渡りのような編集作業でもなんとかここまで来れたのは、多くの方々 のご協力の賜物と厚く御礼申し上げます。で、ちょっと調子に乗って、次号はもっと 多くの方にご参加ご協力していただこう、と考えています。10年後の夢、理想、希 望、展望、ホラ話・・・。いろいろな方の声で第41号がいっぱいになるように、多く の方の投稿をお待ちしております。(久保)